歯科医師、歯科衛生士は知っている!むし歯、歯周病にならない歯磨きのポイントとは
「毎日ちゃんと歯磨きしているのに、どうしてむし歯や歯周病になってしまうのだろう」
このような話をよく耳にします。
実は、歯磨きの「回数」や「時間」よりも大切なのは、むし歯や歯周病の原因となる歯垢(プラーク)をきちんと落とせているかどうか、ということなのです。
今回は、私たち歯科医師や歯科衛生士が日頃から実践している、むし歯・歯周病を防ぐための歯磨きのポイントを、わかりやすくお話ししていきますね。
「磨いている」と「磨けている」は違います

たとえ毎日歯磨きをしていても、ただやみくもに磨くだけでは効果が十分に現れません。むし歯や歯周病を予防したいなら、きちんとポイントをおさえた磨き方をする必要があります。
むし歯も歯周病も原因は同じ「歯垢」
むし歯も歯周病も、原因のほとんどは歯の表面に残った歯垢です。歯垢は生きた細菌のかたまりで、うがいだけでは落とせません。
これは浴槽や三角コーナーのぬめりを、水流だけで取ることができないのと同じことです。
つまり、歯ブラシで物理的にかき出すことが唯一の方法なので、毎日の歯磨きの「質」がそのまま歯の健康に直結します。
磨き残しが多いのは決まった場所です
「歯と歯の間」、「歯と歯茎の境目」、「奥歯の噛み合わせの溝」、この3か所は歯垢がたまりやすく、磨き残しの定番スポットです。歯磨きをしているのにむし歯や歯周病になる、という人は、「全体をなんとなく磨いている」可能性があります。
狙いを定めずになんとなく、時間をかけて磨くよりも、この3か所を意識して磨くだけで、短時間で合っても仕上がりが大きく変わってきます。
歯ブラシ選びも歯磨きの第一歩です
歯磨きの効果は、実は歯ブラシ選びの時点から始まっています。ひょっとして今、毛先が広がった歯ブラシを使っていませんか?もしそうなら汚れを落とす力はかなり落ちてしまいます。
また、ご自身のお悩み(むし歯予防を重視したいのか、歯周病ケアをしたいのか)に合わせて歯磨き粉を選ぶことも効果的なオーラルケアにつながります。
関連記事:オーラルケアは歯磨き粉からこだわりたい!歯磨き粉選びのポイントは?
毛先の当て方・動かし方が仕上がりを左右します
歯と歯茎の境目は45度を意識して
歯周ポケットに歯垢がたまりやすい歯と歯茎の境目は、歯ブラシの毛先を45度の角度で当てるのがポイントです。歯の表面は毛先を直角に当てて、1〜2本ずつ小刻みに動かすように意識してみてください。
力を入れすぎないことも大切です
「しっかり磨かなきゃ」と力を入れてゴシゴシ動かす方が多いのですが、実はこれは逆効果。強い力で大きく動かすと毛先が寝てしまい、かえって汚れが落ちにくくなるうえ、歯や歯茎を傷つける原因にもなります。
鉛筆を持つように歯ブラシを軽く握り、優しく小刻みに動かすことを意識しましょう。
参考:歯みがきによるむし歯予防効果(予防法)|厚生労働省 e-ヘルスネット
歯と歯の間・歯周ポケットのケアも忘れずに
歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れの多くは落とせません。デンタルフロスや歯間ブラシを併用することで、歯周病の予防効果はぐっと高まります。
歯周病は自覚症状が少ないまま進行し、気づいたときには歯を支える骨が溶けてしまっていることも珍しくありません。放置すると全身の健康にも影響を及ぼすことが分かっていますので、日々のセルフケアと定期的な歯科受診の両方を大切にしていただきたいと思います。
関連記事:放っておくと危険!歯槽膿漏で起こる全身疾患のリスク
参考:歯周病について ~まとめ~|全国健康保険協会(協会けんぽ)
磨くタイミングにも気を配りましょう
歯磨きは「いつ磨くか」も意外と見落とされがちなポイントです。特に就寝前は、寝ている間に唾液の分泌が減って細菌が増えやすくなるため、最も丁寧に磨いていただきたい時間帯です。
また、酸性の強い飲食物を摂った直後は歯の表面が一時的にやわらかくなっているため、すぐにゴシゴシ磨くと歯を傷めてしまうことがあります。そのため、少し時間を置いてから磨くのがおすすめです。
まとめ
むし歯や歯周病を防ぐカギは、特別な道具や難しいテクニック、磨く時間ではなく、むしろ毎日の歯磨きの「質」にあります。
歯垢がたまりやすい場所を意識し、適切な力加減とタイミングで磨くこと、そしてデンタルフロスや歯間ブラシを取り入れること。これらを少しずつ実践するだけで、お口の健康は大きく変わってきます。
ご自身の磨き方に不安がある方は、ぜひ一度、歯科医院で歯磨きのチェックを受けてみてくださいね。私たちも患者さんお一人おひとりに合ったケア方法をご提案させていただきます。




















