ザイゴマインプラント
上あごの骨が極端に不足しているケースでもその日に固定の歯が入る

インプラントは骨に埋め込みますので、骨が十分になければ行うことができません。ですが、近年ではあごの骨が少なくても、オールオン4のような手術法でインプラントを行うことが可能になってきました。
オールオン4は骨が極端に少なくなっているケースでも、骨移植をすることなく、骨のある部分を選んでインプラントを埋め込むことができ、しかもその日のうちに固定の歯を入れることができます。
しかし上あごで極端に骨が少ない場合、オールオン4でも対処しきれないケースというのがあります。でも、そのような場合にでも行えるインプラント法があります。それがザイゴマインプラントです。
ザイゴマインプラントとは
ザイゴマインプラントの「ザイゴマ」は「頬骨」の意味です。つまり、通常一般的に行われているインプラントはあごの骨に埋め込まれますが、ザイゴマインプラントは頬骨に埋め込まれるインプラントです。
骨が少ない場合に行われるインプラント法としてオールオン4がありますが、こちらはあごの骨で骨量のある部分に選択的にインプラントを埋め込むものです。ザイゴマインプラントは、上あごでそれよりももっと骨がなく、インプラントを埋め込むあごの骨がない場合に行われます。
骨移植がいらず、即日に歯を入れることも可能

ザイゴマインプラントは、1995年にブローネマルクが開発した、頬骨に向かって埋め込まれる長いネジ型のインプラントです。通常30〜52.5ミリの長いインプラントを頬骨に2本ないし4本埋め込みますので、しっかりとインプラントが安定します。
上のあごの骨が少ない場合、インプラントを埋めるために、上の歯の上方にある上顎洞の底を持ち上げて人工骨を移植するなど、骨を造成する手術を行うこともありますが、骨がきちんとできるまでに半年くらいかかるのが通常です。
そして、その後インプラントを埋め込むことになるので、結局インプラントが入るのは1年後ということも珍しくなく、それまで歯が入るのを我慢しなければなりませんでした。
ですが、ザイゴマインプラントの場合、頬骨に埋め込みますので、すべての患者様に対して骨造成手術を行わずに施術が可能です。しかもオールオン4のように、手術を行なったその日に固定した歯を装着することができるメリットもあります。
ザイゴマインプラントが適用になる方
上あごの骨が極端に少なく、オールオン4ができない方
オールオン4で対応できないくらい骨が少ない場合、ザイゴマインプラントなら施術可能です。
骨造成手術を避けたい方
骨を増やす手術をすると、複数回の手術が必要となってしまいますし、治療期間も大幅に延びてしまいます。なるべくお体への負担を減らし、期間を短くしたいというような場合にはザイゴマインプラントを適用することで解決できます。
腫瘍などが原因で骨がない方
悪性腫瘍などの病気が原因であごの骨を切除し、インプラントを行う骨が全くない方でも行うことができます。
生まれつきあごの骨が欠損している方
生まれつき口蓋裂、顎裂などがあり、上あごの骨の欠損がある場合にも適用可能です。