虫歯が自然に治ることってあるの?
目次
虫歯が自然に治るということはあるのでしょうか?
虫歯が自然治癒する場合
結論から言うと、虫歯が自然治癒するというのは、全ての虫歯に言えることではなく、限られたケースにおいてはありえます。それはどのような場合かというと、虫歯のごく初期の段階です。
虫歯というのは、まずは歯の表面が酸によって溶かされて歯の表面のミネラルが溶け出すところから始まります。このごく初期の段階では、ミネラルが溶け出してはいるものの、まだ歯に穴は空いていません。この状態であればプラークコントロール(歯にプラークをためないこと)をしっかりと行い、再度唾液のミネラルを歯に沈着させることで、虫歯が治ることもあります。
たまに、虫歯で痛みのあった歯が痛まなくなったので「治った」、と思っている人がいますが、このような場合は、虫歯によって歯の神経が死んでしまい、それによって痛みを感じなくなったということがほとんどです。
つまり、ごく初期の虫歯を除いて、虫歯を放置しても決して治ることはなく、その後より一層ひどい状態になってしまうため、早めに治療をすることをおすすめします。
初期虫歯ってどんな感じ?
虫歯が治る可能性のある初期虫歯とはどのような状態のものをいうのでしょうか。初期虫歯は、先ほども述べたように、まだ穴が空いてはおらず、多くの場合は白く濁ったような色をしています。また、痛みなどの症状を感じることはまだありません。
この段階で虫歯を発見して対処すれば、歯の表面に再石灰化(歯の表面に唾液中のカルシウムやリンが沈着すること)が起こって自然治癒し、歯を削って治療する必要はなくなります。
初期虫歯を自然治癒させやすくする方法
次のような対処を行うことで、初期虫歯が自然治癒しやすくなります。
■糖分の摂取に気をつける
初期虫歯の部分は、虫歯菌が糖分から作り出した酸によって歯が溶け、弱くなっています。
そのため、まずは虫歯菌の栄養となる糖分の摂り方にまずは気をつける必要があります。
■念入りなブラッシング
虫歯の原因となるプラークを歯の表面に溜めないよう、念入りに磨くことも大事です。
■高濃度フッ素塗布
高濃度のフッ素を塗ることにより、歯の石灰化が起こりやすくなります。
初期虫歯と診断された場合、歯を削らずに経過観察、ということになりますが、経過観察の段階で油断をすると、本格的な虫歯へと進展してしまう恐れがあります。
一旦穴が空いてしまうともう自然に治ることはありませんので、そうならないようしっかりとケアを行っていきましょう。