お口のケアの良し悪しで、感染症のかかりやすさが変わる
目次
感染症にかかるかどうか
感染症にかかるかどうか、というのはその人の免疫力によって変わってきます。免疫力が高い人は、体内にウイルスや細菌が入り込んでも、感染しない、もしくは感染しても重症化することはありませんが、免疫力が低いと、病原体に感染してしまい、重症化しやすく、命の危機にさらされることもあります。
免疫力の良し悪しは人によって様々ですが、年齢や、生活習慣、食事、ストレスなどが大きく関わっているとされています。ですが、それに加えて、お口の衛生環境というのも免疫力に大きな関わりがあることが近年わかってきました。
口腔内の衛生状態と免疫との関係
■歯周病が免疫を左右する
歯周病菌は歯周病を起こすだけでなく、循環器系や呼吸器系を介して、全身の様々な病気を引き起こすことが問題になっています。歯周病と関連が深い病気として糖尿病が挙げられますが、糖尿病というのは体の免疫力を落としてしまうことで知られています。また、歯周病菌が呼吸器にいくと、細菌性肺炎を起こしやすくもなります。
また、歯周病菌はインフルエンザなどのウイルスの粘膜への感染を助けることもわかってきています。つまり、お口の中が不潔な状態になっていて歯周病菌が多いと、ウイルスに感染しやすくなります。実際に、介護施設で口腔ケアをしっかり行なったグループとそうでなかったグループとでは、インフルエンザにかかる人の割合に違いが見られたことが、研究の結果わかっています。
■口腔環境が腸内環境に影響を与え、免疫を左右する
腸内細菌が免疫と深い関わりがあることはよく知られていますが、お口の細菌状態と腸内細菌状態にも関係があり、両者には類似点があることがわかっています。つまり、お口の細菌環境が悪いと、腸内環境も悪くなりやすく、免疫が落ちる可能性があります。
お口のケアをしっかりと行い、免疫力を高めましょう
お口をきれいに保つことは、虫歯や歯周病を防ぐだけでなく、体の免疫力アップにもつながるということがおわかりになったと思います。
お口を清潔に保つには、毎日のご家庭でのケアも大事ですが、細かい部分など、どうしても取りきれない部分というのは出てきてしまいますので、歯科医院での定期的なケアを受けることも大切です。