おしゃぶりで噛みあわせが悪くなる!?おしゃぶりの長期使用は避けよう
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赤ちゃんが「おしゃぶり」を口にくわえている姿は、とても愛くるしいものです。
しかし小児歯科医のなかには「おしゃぶりを長期間くわえさせると、歯の噛みあわせの異常を引き起こすことがある」と警鐘を鳴らす人もいます。
噛みあわせの異常は、不正咬合(ふせいこうごう)を引き起こしかねません。不正咬合とは、歯並びの乱れや出っ歯や受け口などのことです。親御さんは、子供におしゃぶりを長期間使わせないようにしてください。
2歳までならおしゃぶりのメリットはあるが
最初にお断りしておくと、「おしゃぶりはダメなグッズ」というわけではありません。おしゃぶりは赤ちゃんの気持ちを安定させますし、おしゃぶりをくわえさせると泣き止む子供もいます。
また、おしゃぶりには睡眠を誘発する効果があり、赤ちゃんはくわえながら眠っていきます。赤ちゃんが眠ってくれれば、親子ともどもストレスが減ります。さらに、おしゃぶりをしていると口を閉じる習慣が身につき、その結果、自然に鼻呼吸が癖になります。口呼吸の癖がついてしまうと大人になってさまざまな弊害が起きるので、おしゃぶりは正しい呼吸法を学ぶきっかけにもなります。
しかし、おしゃぶりの使用には「年齢制限がある」と覚えておいてください。2歳までなら使わせても問題がありませんが、3歳以降になると、次に紹介するおしゃぶりの弊害のほうが大きくなります。
おしゃぶりの癖があると上下の前歯が接触しなくなる
日本小児歯科学会によると、おしゃぶりの習慣と乳歯の噛み合わせ(咬合)には深い関係があります。
おしゃぶりをする癖がある2歳児は、癖がない2歳児に比べて「開咬」が突出して多いことがわかりました。開咬は不正咬合の一種で、上下の奥歯を噛み合わせたときに上下の前歯が接触しない症状のことです。おしゃぶりによる継続的な力によって、上下の前歯がよくない方向に移動してしまったと考えられます。
開咬の傾向は5歳児になるとさらに強まるそうです。おしゃぶりによる前歯への圧力が長期に及ぶほど、不正咬合が悪化するということです。ちなみに、おしゃぶりだけでなく、指しゃぶりの癖があると出っ歯の症状が出やすいこともわかっています。
まとめ~子供のおしゃぶりをやめさせるのは親の責務
ある小児歯科医は、「子供が静かになるからといって、無暗におしゃぶりを続けないようにしてほしい」とアドバイスしています。子供はなんでも手に取って口のなかにいれますが、これは目と手の協調運動を身につけることにつながりますし、味の学習にもなります。しかしおしゃぶりをくわえたままだと、それができません。おしゃぶりは学習機会を奪ってしまうのです。
子供がおしゃぶりをほしがらないように、親子のコミュニケーションを深めることが大切なようです。おしゃぶりの癖をやめさせられないときは、池田歯科に相談してください。