避難時に忘れると大変な思いをすることも!?口内ケアグッズの重要性
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災害時に向けて水や食糧の確保をしている方も多いと思いますが、実際に災害にあった方の話を聞くと、多くの方が口内のケアが思うようにできずに困った、ということをおっしゃっています。
そこで今回は、誰にとっても無関係ではない、災害時における口内ケアの重要性について解説していきます。
災害時、避難時に起こりやすい病気
災害時、避難時には環境の変化によるストレスも大きく、さまざまな健康状態の悪化が起こりやすくなります。
実際、これまでに日本では、さまざまな災害による避難所生活を送った方が多くおり、そういった場所で肺炎や脳梗塞、心疾患、といった病気が急増することがわかっています。
そして、こういった病気が増える背景として、ストレスだけでなく、お口のケアが不十分になって口内細菌状態が悪化することも大きく関わっていると考えられています。
災害時に起こりやすいお口のトラブル
災害によって避難所生活が長期化すると、世代別に次のようなお口のトラブルのリスクが高くなります。
◆子ども
避難所ではパンや加工食品といった、比較的糖分の高いものを食べる機会が多くなり、そのようなものは歯垢を溜めやすいため、とくにむし歯のリスクが高まります。それに加えて、歯磨きを十分に行えない状況が加わると、さらにむし歯による痛みが起こる危険性は高くなります。
◆大人
糖分多めの食生活、プライバシーの少ないストレス状態における免疫低下により、むし歯や歯周病の発症・悪化リスクが高くなります。そしてそこに歯磨きが十分に行えない環境がある場合、より一層口内環境は悪化し、歯の痛み、歯茎の腫れなどの口内トラブルが多発します。
◆高齢者
環境変化によるストレス、糖質に偏った食事で免疫力が低下し、むし歯や歯周病によるトラブルにより、食事が食べられないなどの問題が起こりやすくなります。また、入れ歯をあまり洗えない環境も、口内細菌環境の悪化、入れ歯による痛みといったことにつながります。
特に高齢者の場合、口内細菌環境が悪化すると、唾液や食べ物を誤嚥することにより肺炎のリスクが高くなり、命にもかかわります。
災害時の口腔ケアは体の健康維持にも欠かせません
災害時には思ったように水を使えない、避難所で思ったようにお口のお手入れがしにくい、といったような背景からお口のケア不足に陥りやすく、そこに食生活の悪化やストレス、心身の疲労なども加わり、通常に比べて口内環境が劇的に悪化しやすくなります。
そのため、災害時は、口内ケアは意識して普段よりも丁寧に行うくらいの気持ちで取り組む必要があります。
まずは非常用持出袋の中に口内用ケアグッズもしっかりと準備しておく、または外出時に災害に合った場合のことも想定して、歯ブラシは常に携帯しておくなどしておき、避難時にもきちんと口腔ケアができるようにしておくことをおすすめします。
災害時に向けての口内ケアグッズの備え

災害はいつ起こるかわかりません。いざというときに焦らないようにするためにも、すぐ持ち出せる非常用持出袋の中に、口内ケアグッズとして、次のものを入れておきましょう。
◆家族全員分の歯ブラシ
最低でも家族全員分の歯ブラシを準備しておきましょう。
◆歯間ブラシ・デンタルフロス(糸ようじ)、つまようじ
歯と歯の間の汚れを落とすためのグッズとして、歯間ブラシやデンタルフロスも有用です。つまようじもあると便利でしょう。
◆歯磨き粉、液体歯磨き、薬用デンタルリンス
歯磨き粉は必ずしも必要ではありません。なぜなら歯磨きは歯ブラシで機械的に汚れを擦り落とすことが最も重要だからです。ですが、もしも歯磨き粉を使いたい場合には、水がなくても使用しやすい液体の歯磨き剤が便利です。薬用デンタルリンスはお口の殺菌に役立ちます。
◆入れ歯洗浄剤・入れ歯ケースなど
入れ歯使用中の方は、入れ歯のお手入れグッズや保管のためのケースも忘れないようにしましょう。
◆口腔ケア用ウエットティッシュ、歯磨きシート
水がない時には歯を拭いて清掃できるお口用のウエットティッシュ、歯磨きシートも持っておくと便利です。